ソラノイエ 農村滞在型の宿 岐阜県下呂市でファームステイ【farm stay】

岐阜県下呂市の農村滞在型の宿(ゲストハウス)【ソラノイエ】でファームステイ【farm stay】

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TEL 0576-20-4093
〒509-2423 岐阜県下呂市蛇之尾1345

ソラノイエ便り

農村暮らしの近況報告

水の道をつくること

:2020年8月5日

7月上旬、下呂市で豪雨災害が発生した。

山間地に住んでいる上で、一番感動的で、同時に一番怖いのは、「水」。私にとっては、コロナの何倍も怖いかもしれない。私の家の横には山の谷沢から続く水路があって、水の通り道になっている。この水路が溢れたら、家の下に水が入って来ることになり、石垣の上に家が建っているので石垣が水によって崩れたら、家も崩れるのでは、、、と想像したら気が気ではなかった。それだけは阻止したいと思いながらあの豪雨の夜はずっと眠れなかった。幸い小坂町や萩原町に比べたら降水量は少なかったと思うし、大きな被害はなかったけれど、水路の水はものすごい勢いで流れ、家の上流で溢れることはなかったものの家よりも下流になったところでオーバーフローしていた。道路に溢れている水を見た時、水の流れる道をちゃんと観察しておこう、と思った。

日本の里山は、先人の暮らしの知恵によって、効率良く水を使うようデザインされていると聞いた。山から流れて来た水は、途中、人間が利用することもありつつ、畑で大地に吸収され、その後田んぼに溜められ、緩やかに川へと入って行くのが理想で、その余剰分が、水路で運ばれて川に流れるというシステムになっているそう。

実際私の家も、上から山→畑→家→畑→田んぼ→川という順番になっている。溢れてしまう水をみて気づいたことは、キャパオーバーな尋常ではない量の雨が降っているということが1つと、もう1つは、現代の田舎で土や田畑が失われていることによって、降った水は行き場をなくし、そのままダイレクトに水路に入り、速攻川へ流れるということになっているということ。これはもちろん、普段の雨であれば何も問題がないことで、むしろ家のまわりが早く乾燥するから良いのかとも思うけれども、豪雨になり、道路、屋根、その他もろもろ、その大きな表面積に降った雨が土に染み込むことなく川に集められてしまうと、河川の増水スピードが急激になってしまうということを実感。森や田んぼをきちんとした形で守って行くということが、水をコントロールする上でもすごく大切なことで、下流や本流域のひとたちの暮らしを守ることにも繋がるんだということを感じた。

今回を機に里山での治水や田んぼや森の保水力について、これからもっと勉強していきたいなと思います。きっと地域のみなさんは当たり前のように知っていたことなのかもしれないけど、下呂生活6年目、普段から水ときちんと付き合うということが、めぐりめぐって命を守ることにつながるということを知りました。田舎の保水力が、都市の河川の氾濫を防ぐことにもなるし、田舎と都会はつながっているということと、みんなで地域の田んぼや森を大切にしていく意味も改めて考えさせた梅雨でした!

それではみなさんにとって、良い夏になりますように。


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